『ボクの音楽武者修行』
今朝、指揮者の小澤征爾さんが病気療養のため、今年一杯の仕事を全てキャンセルするというニュースを知り、驚きました。
でも、休養を取る事で回復するという事。少し、安心致しました。この機会に、是非ゆっくりとお休みを取って頂きたいと思います。
私は、小澤さんの指揮する姿が大好きです。
指揮に関しては、素人の私は何も分かりません。でも、全身を使って指揮している小澤さんの後ろ姿を見ていると、表現したい事がストレートに伝わってくる気がして、視線をそらす事が難しいほどです。オーケストラの全ての人たちを暖かく包んでいて、その雰囲気はホール全体へと広がっていく気がします。
『ボクの音楽武者修行』は、1961年、小澤さんがまだ26歳の頃に書かれ、翌年音楽之友社から刊行された本です。ここには、無名だった小澤さんが溢れるほどの好奇心で音楽の道を突き進んでいく姿が、彼自身の温かい言葉で綴られています。
現在、新潮文庫より刊行されています。右の好きな本リストをご覧下さいませ。
まだ、全くの無名だった彼は、外国の音楽を指揮するためには、その音楽の生れた土、そこに住む人に触れあいたいという理由からヨーロッパを目指します。資金を集めるために支援者を募って奔走し、結局スクーターを使って目的地まで辿り着くことに。
スクーターを提供してくれた富士重工との3つの約束
日本国籍を明示すること。音楽家であることを示すこと。事故を起こさないこと。
を忠実に実行すべく、日の丸の付いたスクーター、背中にはギターを背負ってヨーロッパの田舎や町の中を走る彼の周りには直ぐに人だかりが出来たようです。でも、彼の周りにはいつでも彼を慕う人が溢れている気がします。
そして、フランスに辿り着いて暫くしてからブザンソンの国際指揮者コンクールに出場し、1位を取った事で指揮者への道が大きく開かれていくのです。でもこの出場を決めたのも、ある意味「偶然の産物」のようなもの。目的を達成するために決して諦めない、でも頑なではなく、しなやかでお茶目な生き様は痛快としか言いようがありません。
そして、その後の活躍は世界中の人が知っている通りです。
早く、でも無理をなさらず回復をされますよう祈っております。
そして、また小澤さんの指揮なさる姿を拝見したいと切に願うのでした。
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